金沢ベイエリア探訪

藤橋 由希子


金沢ベイエリアって?

金沢ベイエリアは「金沢港」周辺のエリアを指しますが、細かく言うなら「大野港」と「金石(かないわ)港」を中心とするエリアです。歴史的に見て、金沢港は金沢の発展に必要不可欠な存在でした。
藩政時代の物流の要であった「北前船」の寄港地だった金沢港には、全国から様々な物資が運び込まれました。
とりわけ、北海道からの小麦や大豆は、この地で発展した味噌や醤油づくりに大きく貢献しました。
金沢は日本の醤油の五大産地の一つで、この地独特の「甘口(うまくち)醤油」は、金沢の味の決め手として、今なお市民に愛されています。当館で使用している味噌や醤油も、もちろんこのエリアでつくられたものです。
魅力の多いこのエリアですが、金沢市内から少し離れた(金沢駅から車で15~20分くらい)で、公共交通機関もダイヤの面で観光客が利用するには不便なことから、なかなか紹介しづらい場所でした。
ですが、昨今金沢港の再開発で、大型クルーズ船が入港できるようになり、そのれに伴うにぎわい創出で注目を浴びてきたこのエリアに、シャトルバスの実証実験が行われることとなりましたので、この機会を上手に使っていただきたいとご紹介しますね。

大野地区の見どころ



大野地区は先に紹介した、味噌と醤油の産地です。20軒以上の醤油メーカーが今の醤油づくりをしており、平日であれば、町全体がぷーんと醤油の香りが漂うこともある町です。
そしてかつて使用していた醤油蔵を活用したカフェやギャラリーなどもあって、町並み散策が楽しめます。
北前船の全盛期に、この地で生活していた発明家「大野弁吉」を紹介する「からくり記念館」は、お子様に(もちろん大人にも)お勧めの施設。
今の時代も頭のいい人は多いけれど、これほどの広い分野でアドバイスできるほどの人が果たしているでしょうか・・
このエリアには、観光客にも有名な「宝生寿司」があるほか、地元の大手醤油メーカー「ヤマト醤油」と「直源醤油」がそれぞれカフェやお土産品などを販売するお店があります。どちらもとてもおすすめですよ。
古い醤油蔵と町屋が残る街歩きの出来るエリアです。

金石地区の見どころ



金石地区も大野地区同様の港町で、それが町並みに色濃く残っています。
写真にあるのは「舟板塀(ふないたべい)」と呼ばれるもので、その名の通り、かつて舟材として使用していた木材を、塀にリサイクルしたものです。よく見ると、板の合間に、銅板などが打ち付けられているのが分かります。当時はこうやって船を修理しながら長く大事に乗っていたんだなぁと、思いを馳せることができますよ。
このエリアは大野地区ほど古い町並みが残っているわけではありませんが、町のところどころに湧き水が出ている場所があったりして、庶民の生活が垣間見られます。
主なスポットとしては、「飴買い幽霊」という金沢の怪談話(実話なのかもしれません)が生れた道入寺というお寺や、北前船で大成した豪商「銭屋五兵衛」の記念館、珍しい能舞台のある「大野湊神社」(年に一度のお祭りでは能が奉納されます)などがあります。

その他の見どころ

その他金沢ベイエリアには「金沢港いきいき魚市」という市場があります。金沢港のセリ場横に併設された市場で、規模こそ大きくはないものの、鮮度はピカイチです。水揚げされた魚がそのまま運び込まれるわけですから当たり前ですね。
お値段も近江町市場よりも安く、発送もできるので、お買い物も楽しめますよ。
実はこの市場のお隣(正確にはセリ場の隣)にある「厚生食堂」は、船員さんのための食堂として営業しているのですが、今では地元客はもちろん、観光客にも大人気のお店です。飾り気のないお店ですが、美味しい海鮮料理が食べられますよ。

金沢ベイエリアへのアクセス耳より情報



2019年7月20日~9月23日の土日祝日限定で、金沢駅西口(金沢港口)より、無料シャトルバスが運行します。
このバスを使えば、ここで紹介したエリアを満喫できますよ。
金沢リピーターの皆さん!是非新しい発見を求めて、金沢ベイアリアへGO!


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