「人が好き」というまっすぐな気持ちが成⻑の原動力になる。


本田 美穂
旅館フロント(配膳含む)担当。高校卒業後、2011 年に入社。
チーフとして活躍し、2019 年に結婚・転居のため退職。

Q.もともとサービス業や接客業に興味があったのですか?

子どもの頃から人と話すことが好きで、高校時代はコンビニと寿司店でアルバイトをしました。言葉 遣いなど全然できていませんでしたが、「頑張ってるね」とお客様に声をかけてもらえると嬉しくて。 その延⻑で、就職活動でもパソコンに向かうより人に向き合う仕事がいいな、と考えました。職種の 希望はなかったのですが、母校の先生の紹介で気軽な気持ちでこちらの面接を受けました。そのとき 対応してくれた方の印象がとても良く、「やってみようかな」と思えました。

Q.どのようにして仕事を覚えてスキルアップしていったのですか?

最初は旅館のことは右も左も分からない状態なので、とにかく「いらっしゃいませ」という挨拶だけ はしっかりしようと心がけていました。あとは教えてもらいながら少しずつできることを増やしてい く、という感じでしたね。3 年経つとだいたいの業務はこなせるようになり、後輩ができて教える立場 にもなりました。

チーフになってからは、働く場所や業務内容は同じですが、スタッフに仕事を割り振ったり、指示を 出したりということも仕事の一部になりました。

Q. 後輩に仕事を教える際に気をつけていることはなんですか?



自分が教えて貰ったことをそのまま受け継いでいく、ということですね。 「お客様から常に見られているよ」ということは繰り返し言っています。たとえばお食事をお出しす る際、出したから OK でお盆を振りながら戻ってくる、ということがあってはいけないし、ガラス越しの視線もあるので、お客様がいないフロントでも気を緩めてはいけないんです。

Q.本田さんならではのおもてなしの特技はあるのですか?

お菓子作りが趣味なので、手づくりのお菓子をお茶菓子として出したりします。ハロウィンの時は、 オバケの顔を描いたクッキーを用意して、定番のお菓子に添えてお出ししました。お誕生日のお客様 がいらっしゃれば、デザートのプレートにチョコペンでメッセージを書いたり、似顔絵を描いたり、 ということもしています。

食いしん坊なので、板⻑のところにもよく行って、食材のことや調理法のことを細かく聞いています。 作っているタイミングを狙って、あわよくば味見してみたりも(笑)。自分で食べて美味しいのを分か っていてお客様に説明すると、その料理が苦手な方でも「じゃあ食べてみようか」となったりもします。

Q.仕事をしていて一番嬉しかったこと、印象に残っていることを教えてください。

お客様をお部屋にご案内する際、こちらからお話ししたことで楽しそうに笑っていただけると、嬉し くなりますね。あとは夕方のフロントで、観光から戻られたお客様から「今日はここに行ってきた」 「こんなことがあった」というお話を聞くひとときは、いつもとても楽しいです。「私も今度友だちと 行ってみます」って、お客様から教えてもらうことも多いんですよ。


お客様との想い出

常連のお客様には「また本田さん会いに来るよ」と言っていただけます。リピーターを大切にするの は旅館として当然ですが、私個人としても会いたいので、予約が入った日はシフトを入れてもらえる よう頼んでいます。「来年の夏もお姉ちゃんに会いに来る」となついてくれているお子様もいますし、 年配の方からは「孫の嫁に」とおっしゃっていただくことも(笑)。宿泊されたお客様から後日お手紙 をいただくこともあります。

どの出来事も同じように嬉しいですし、一つひとつが印象に残っていますから、どれが一番というこ とはないですね。

Q.働く場所としての由屋るる犀々はどうですか?

ここは「お客様のためにこういうことがしたい」というスタッフの思いを実現しやすい環境です。おもてなしに細かなルールはなくて、そのスタッフがやりたいことがお客様にとって良いことなら、みんなで積極的にやってみようよ、という空気があります。

誕生日や新婚旅行などお祝い事でいらっしゃるお客様なら「こんなことしようと思うんだけど、どうかな?」「やってみようか」とスタッフ間で話が盛り上がりますし、そうでなくても、たとえば赤ちゃんがいらっしゃるご家族ならタオルを多めにお部屋に置いておく、というようなことが自然にできます。

華やかなサプライズも、ちょっとした心遣いも、それぞれのお客様のために同じように考えて、実際にすることができます。

Q.職場の人間関係はいかがですか?

最近のことなのですが、お客様から「どうなっているんだ」とお叱りの問い合わせを受けて、すごく 焦って、困ったことがあったんです。自分ではどうしようもなくて上司に連絡したところ、フロント に駆けつけてくれて「私が何とかするから」と言ってくれました。あのときはホッとして思わず涙が 出ました。実際、問題を解決していただいて本当に安心しましたし、上司と部下というガチガチの関 係ではなくて、家族のように支えてもらっているんだ、と実感しました。

ただ入社したばかりの頃は、年上のパートスタッフさんに仕事を教えてもらうという部分で難しい面 もありました。基本的には可愛がってもらえますが、みなさん⻑く働いていて、それぞれ自分のやり 方があるので、厳しく言われることもあります。今はそういうことも理解できていますし、ランチ会 に呼ばれるくらい仲良くしています。

Q.これからここで働く方にメッセージをお願いします。



お客様を大切にして欲しい、大切に思えるようになって欲しいと思います。高齢の方も、小さなお子 様も分け隔てなく、です。お客様に対しては、自分を好きになってもらえるような接客を心がけるといいと思います。まっすぐな気持ちはお客様に通じます。自分の存在があって宿のことを好きになってもらえれば、大きなやりがいを感じられますよ。


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